2015年12月31日

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posted by tlo at 00:00| Comment(4) | 私信箱

2015年12月06日

CHANGE!!!!とShine!! アニメアイドルマスターとアニメシンデレラガールズオープニング比較2

アニマス、アニデレの一期オープニングは一見同じように見えて、片やエンタメ指向、片やドキュメント指向で、映像的には別物と言っていい違いがあるというのが前半の結論でした。そしてドキュメント指向であるアニデレOPは後半に入るとリアリティが失われる事と指摘しました。
何故後半にリアリティが消失するのか。二期オープニングを比較しながら探っていきたいと思います。

エンタテーメント映像としてのCHANGE!!!!
Ready!!の映像は歌詞をなぞった内容でしたが、CHANGE!!!!は歌詞に沿いつつ一期最終話でブレイクした765プロアイドルの活躍を描くという二期の内容を先取りする形になっています。そしてCHANGE!!!!について特筆すべきは楽曲との同期です。以下にAメロ前半のカットを抜き出して歌詞と照合してみます。
1.png
このように映像のカットが歌詞を基準に行われ、さらに「TVでSHOWTIME♪」の箇所に顕著ですが、被写体もメロディに合わせてアクションします。Ready!!楽屋風景でも「IT’S SHOWTIME♪」の所で響と亜美真美が曲に合わせて歌いますが、CHANGE!!!!ではAメロ後半もそれが徹底しています。カットやアクション等の映像の基準をすべて音楽に置くやり方は映像プロパーから見れば異端ではありますが、ニコ動では珍しくも無く、アイマスMAD動画にはそれが前提になっているものが多くあります。アイマスMAD界隈では映像と音楽の同期をシンクロと呼び習わしましたが、このシンクロの度合いが高い動画は理屈抜きで楽しい動画になります。Aメロのシンクロの高さはReady!!以上のエンタテーメント性を求めた結果なのでしょう。そして圧巻はサビです。

アイドルマスターOP2 - CHANGE!!!!!.gif
1,2,3,と歌詞に合わせたカウントダウンに春香がステージ衣装にCHANGE!!!!する様を挟む極めて短いカットを連打した後での、カメラを移動させながらの1カット長回し。カットの時間的なメリハリも効かせて放つこの長回しのカットは3Dアニメなら容易でも作画アニメでは困難を極める事は、錦織監督であれば重々承知していたでしょう。それでもこのコンテを描いたのは、流れるように変化していく画面が極上のエンタテーメントである事も承知していたからでしょうし、事実もはや映像の快楽といって良いほどの楽しさに溢れています。

Shine!!が狙っているもの
構成も見た目もほぼ同じだったReady!!とStar!!ですが、アニデレ第二期オープニングShine!!の映像はCHANGE!!!!とは見た目からずいぶんと違う感じがします。
2.png
その違いはAメロ前の間奏に既に現れていてCHANGE!!!!はエンタメ指向らしく第一期のダンスシーンを曲に合わせて再編集したものになっていますが、Shine!!では346プロダクションの建物を背景にハラハラと散る桜の花びらが映されています。この花びらはBメロまでずっと舞い続け、Star!!のリアリティとも違った幻想的な雰囲気を醸し出します。
アニデレではキャラクタの心理描写に花を使っていましたが、この桜は第一話の公園シーンの花びらであろう事は間違いないと思われます。
3.png
音も無く舞い散る桜。動きの少ない会話シーンの間を持たせる以上の、このシーンの映像美に緊張感さえ漂わせ、それは凜の人生が一変する瞬間の予兆だったと思います。そんな変化の予兆にシンデレラプロジェクトのメンバーは
4.png気づき
5.png気づき
6.png気づき
7.png手を伸ばしますが
8.png
卯月はその予兆に目をつむったまま。完全に第二期の展開をなぞっています。
キャラクタにもオープニングとしては過剰なまでに演技がつけられ、こんな分析をするまでもなく「卯月ヤバいやつだこれ」と一期から見続けてきた視聴者なら初見で分かる程の情報量は本編と変わりありません。ここから楽曲主導エンタメ指向だったCHANGE!!!!に対し、Shine!!はストーリー主導テーマ指向と言えるのではないかと思います。

↓つづく
posted by tlo at 00:53| 日記

2015年12月04日

Ready!!とStar!! アニメアイドルマスターとアニメシンデレラガールズオープニング比較1

アニメも終わり3rdライブも終わり、今更感もあるのですが時計の針はまだまだ進むという事なので、個人的に宿題になっていたアニデレアニマスOP比較を済ませようと。twitterで随時つぶやいていた事のまとめでもあります。

歌詞から見るオープニング
アニマス一期OPはReady!!の歌詞を映像に落とし込んだものになっています。その歌詞については以下の通り
blog1.png
アイマスには「トップアイドルを目指す」というテーマ(ゲームでは目標)があり、冒頭テーマ部歌詞にもそれが歌われています。映像の側もアイドル達が指を突き上げると同時に矢印が上に向かうという上昇志向。Aメロの楽屋の状況描写とおぼしき歌詞に沿って映像はライブ前の舞台裏を見せています。一転して心情描写になるBメロではアイドル達が目標を書き込んだホワイトボードがエモーショナルに。そしてサビにはまさにReady!!という曲を歌っているライブとなります。サビ2小節目はアイドルマスターでは欠かせない存在であるプロデューサーが描写されて、幕。改めて歌詞とアイドルマスターというコンテンツのテーマに沿った素晴らしいオープニングだと思います。

対してアニデレ一期OPの歌詞は以下の通り。
blog2.png
鳥羽Pが各所でインタビューに答えていますが、アニデレは「普通の女の子がアイドルになる」事をテーマにしています。冒頭テーマ部も運命のドア開けようと歌詞にも歌われている通り、映像側でもドアが開きますが、矢印はReady!!とは違い斜め上。本編で何度も繰り返された「階段と時計」のモチーフがOPもで提示されています。続くAメロ歌詞はReady!!同様ライブ前の状況描写ですが、Ready!!以上に明確な一人称になっています。ここは作品のテーマに沿ったものでしょうが、映像側はReady!!と同様舞台裏の状況、Bメロ心情描写でホワイトボードが映るのも同じ、そしてサビのライブシーンと2小節目のプロデューサーの描写も同様とReady!!とほとんど差はありません。Ready!!を踏襲したのは明らかなのですが、それは「見た目」だけです。それぞれのOPを細かく見ていくと、この二つの映像は別物だったりします。


カメラの位置を検討する
比較の指針としてまず「そのカットを撮影しているカメラの位置」を想定します。実写や3Dアニメならともかく、作画アニメでカメラ位置は意味が無いのでは思われるかもしれませんが、アニデレ第一話を見て分かる通り、少なくとも実写感覚に溢れた雄監督がコンテを描いたStar!!については意味があるはず。という事でまずこちらのカットを見てみます。
blog6.png
莉嘉とみりあがライブ前にお菓子を食べている様子です。机の高さと莉嘉の体勢から、二人は椅子に座っているように思えます。オープニング中の他のカットに描かれているパイプ椅子に座っていると仮定して、このカットを撮影するのにカメラはどの高さにあるのかを算出します。
・パイプ椅子座高:45cm
>ネットショップ等のカタログ寸法で一番多かった寸法です。
・みりあ座高:76cm
>東京都の10歳児童の平均身長が140.7cmでみりあの身長とほぼ同じなので、平均座高である76cmをそのまま当てはめます。
・撮影距離:30cm
>一般的なレンズの最短撮影距離です。ハンディカムなどの家庭用ビデオカメラでは1cmも可能だそうですが、画面を見ればそこまで接写している様子も無いので30cmとします。

以上から導かれるカメラの高さはおおよそ161cm。この数字から、このような撮影風景が想定できます。
blog4.png
シンデレラプロジェクトプロデューサーの身長は初期設定で185cm。161cmの高さでカメラを構えるのは容易でしょう。図では椅子はステージ衣装の形状を勘案して回転丸椅子に変えましたが、低くなることはあっても高くなる事はないと思います。そしてAメロの楽屋風景のカットはすべて「Pのアイレベル」で撮られたものと想定できるのです。
blog5.png
このように、中にはPが屈まなくては撮れないものもありますが極端な俯瞰やあおりのカットはありません。第6話ではステージ脇でラブライカとニュージェネレーションのデビューライブの写真を撮っていたPの姿がありました。このAパートシークエンスも、雄監督はPの記録(ドキュメンタリー)という想定でコンテが描いたのではと思います。

対してReady!!はどうでしょうか。以下のカットのカメラ位置を同様に検討します。
blog7.png
同じく765では年少組の亜美真美を俯瞰で撮っています。足下までフレームに入っていることから二人のほぼ真上から撮られたものであろうと想定できます。
・亜美真美の身長:158cm
・亜美真美の腕長さ:63.9cm
女性向け雑誌のアンケートによる読者平均身長の結果が丁度158.2cmだったので、同じく結果のでていた平均腕の長さ63.9cmを充てました。
・撮影距離:28cm
>かなり強いパースがついていることから広角レンズであろうと想定。一般的な広角レンズの撮影距離である28cmとします。

もし、Ready!!もStar!!同様765プロプロデューサーの記録であると仮定するとPの身長174cmという設定から、撮影風景はこうなります。
blog3.png
導かれるカメラの高さは249.9cm。第1話ではカメラを担いで担当となるアイドル達を撮ったPですが、このOPについては撮影が大変そうです。以下のカットについてもカメラ位置を想定すると結構無理な体勢での撮影となり、Ready!!についてはPの記録映像というよりは別の意図が優先されていると考えた方が良さそうです。
blog8.pngblog9.pngblog10.png
映像の編集にはセオリーがあり、その中の一つに20%のルールというものがあります。詳細はリンク先を見て頂くとして、Ready!!の楽屋風景のシークエンスはカット毎のカメラ位置ががらりと変わります。先の亜美真美のカットも含めたサビ直前の円陣前までのカットを並べてみましょう。
blog11.png
カメラ位置に非常にメリハリがある事が分かります。被写体が異なる事から正確には20%ルールを当てはめる事は出来ませんが、Star!!のAパートとの違いは明らかです。このことから錦織監督はメリハリを効かせて見ていて飽きない映像の楽しさを優先してコンテを描いたと思われます。

以上、Ready!!とStar!!は構成を見る限りは同じに見えます。ですがAメロから始まる舞台裏シークエンスは、Ready!!では映像作品としての楽しさを、Star!!では実写のリアリティを求めている事が伺え、その内実は別物である事が分かりました。ガイナックスで作画をバリバリ描いてきた錦織監督と、京都アニメーションの演出畑で育った雄監督の個性の違いとも言えますが、Ready!!のエンタテーメント指向とStar!!のリアリティ指向はサビで一変してしまいます。

↓つづく
posted by tlo at 22:24| 日記