2008年06月06日

ストーリーものの系譜的な何か

このところストーリーものについて色々考えたり、今日すげえ作品が出てきたりしたので、総括の意味もあってまとめてみた。紹介する作品は基本的に「ゲームや公式設定の延長にあるもの」。えらい長文になったので、以下に収納しました。

コメ欄をあけておきます。紹介が多く、間違いなどあるかも知れないので、その際はご指摘下さい。また、こんな作品もあるよと言うのがあれば紹介いただけるとうれしいです。

紹介に「春香さんのED」関係を入れなかったのはわざとです。
それだけで一ジャンルになりそうなので、
愚民の論客の方にお譲りします。
私、下僕なので。


蔵人P作品
これは実は「ゲームのPV」だという評をどこかで読んだ。アイマスというゲームを普通にプレイすれば「サクセスストーリー」になってしまうので、ゲーム内容に沿えば自然に「美希と千早の成長物語」を『感じさせる』内容になる。手法的にもこれがストーリーものの原点になるだろう


ありすえP作品
シンクロダンスがメインで、ストーリー部にコミュを使った古典的な作品。この作品では歌詞のメッセージ性と相まって「真の成長物語」が明確に語られている。(削除されているけれど、ニコマスのフォーマットになってる構成なので大体想像つくと思います。私はローカルに保存してあったり)


シラカワP作品
Pの最新作で、一部に派手なエフェクト、切り抜きもあるのだけれど、構成的には実は古典に属する。成長物語はオーソドックスだけれど普遍的で力強い。主人公雪歩がアイドルとして成長し、いままで自分だけしか見えてなかった彼女が外に目を向けるようになる姿、そして最後の言葉はとても感動的。


時雨P作品
思えばこの頃の時雨Pは歌詞と千早の物語とのシンクロを求めて、ストーリー系の作品を上げ続けていた気がする。千早の物語はドラマチックであるのだけれど、ニコマス的には食傷気味になっていたかもしれない。その後時雨Pはゲームをなぞるのを止め、自らストーリーを書き千早との一年を再構築していくこととなる。


哀川翔P作品
物語は完全に二次創作。語られる物語と歌詞とのシンクロが凄まじく、特にPのモノローグと歌のサビが重なる所は号泣必至……伊織派の人には。物語を語るのは主に伊織とPのモノローグ、つまり動画よりは文字による。文字を読ませる為、派手な絵は作れないこともあり全体的には地味にならざるを得ない。が、その分を伊織の声でコミュを捏造して盛り上げる。ステージシーンは物語に完全に織り込まれ、PVというよりは映画のトレーラー風。


OGOP作品
どちらかと言えば物語ではなく曲のPV風で捏造コミュMADともいえなくもないけれど、ゲームのコミュ画像に頼らずダンスから切り抜きして作ってしまう手法が新しい。そう言う意味ではつくねPの作品もあるけれど、つくねPの作品は「写真的リアリズム」、OGOP作品は「絵画的リアリティ」という点で違う。ステージシーンは街の中のモニタという形でコミュ画面に取り込まれ、この街がアイマス世界であることを演出している。


時雨P作品
時雨PのSSコラボ作品の中の一作。あの作品群のなかで私が一番好きなものだったりする。「はるちは」は公式でもよくみられるカップリングだ。だがアイドル達の友情物語はゲームの中で語られることはなくプレーヤーの想像する余地が大きい、というか妄想して創り上げていくしかない。つまり二次創作だ。物語を語る為のシーンは全て切り抜きの捏造コミュになり、さらに作品の構成がダンスメインのコミュカットインという古典的なものと全く違う。ステージシーンは物語を語る一シーンに過ぎず、拍シンクロしていない(もししていたらごめんなさい)。ところがこの方が「語る」効果が高くなっていたりするのだ。
この作品はエポックメイキングでは無いだろうけれど、次に紹介する作品に繋がっている。


メイP作品
ステージシーンは僅か2カット。それ以外は全て捏造コミュだったり切り抜きだったり。なんだかえこP作品のような突然変異に見えるけれど、こうして並べるとニコマスの流れの一つの最先端であることを再確認できるかなと。ただ決定的に違うとすれば、この作品は「歌」そのものではなくて、恐らく「元歌のPV」に着想を得ているという点だろう。そうでなければこの歌詞から「ゆきまこ」という発想は出てこないと思う。いろいろ見たり聞いたりしているんだなぁとか、思った次第。


主に絵的な構成から並べてみました。ダンス素材の扱いがどんどん変わっていくのが面白かったりします。
これからどんなのがでて来るのか楽しみです。
posted by tlo at 22:03| Comment(5) | TrackBack(0) | 動画紹介
この記事へのコメント
シンクロを意識するとこけるというジンクスがあるのでw結局、あの流れの動画は全部PVだなんだっていうよりは、コミュだからかな、と。

またいずれ記事にでもして語ろうかしら。
Posted by 時雨 at 2008年06月07日 02:22
紹介オッケーということなので、遠慮なくふたつほど。
有名な作品だし、ご存知でしょうけど一応。
初期のストーリーものについて、これは自分的に外せないものです。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm1374
youtubeから入った自分が、「アイマスに物語がある」ことをはじめて知った作品。
単発のコミュと、ステージの印象しかなかったので、それらが繋がって「ストーリー」になるんだと、この動画ではじめて知りました。

あえてコミュのみで展開を表現する、というのは今でもあまり無い手法かな、と。
映像をコミュに限定することで、彼女が「アイドルである」部分を感じさせず、一人の女の子の物語として集中できます。

確かyoutube版は二月に上がってたように思います。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm45889
「まっすぐ」と「ありがとう」、ただそれだけなのに、EDに至る物語を、当時アイマスはとかちエージェントしか知らなかった自分だけど、ものすごく感じました。
それは、すでに彼女たちをプロデュースした人たちのコメントのおかげもあるかもしれません。

歌と、アイドルと、台詞ひとつがあるだけでも、アイマスの一番大切なストーリーは伝えられるんですよね。
「彼女たちとトップアイドルを目指す」という、当たり前だけど忘れがちなお話。


長くなりましたけど、美希派としてもうひとつ。
relationsという曲は美希の持ち歌として作られたんじゃなく、relationsが先にあって、それを歌う子として美希の設定やシナリオが作られていったそうです。
他のアイドルもそういう傾向みたいですね。

アイドルたちがただ持ち歌を歌っているだけでも、そこにストーリー的な空気を感じてしまうのは、彼女たちのそうした生まれのせいもあるのかもしれません。

長文失礼しました。
Posted by who at 2008年06月07日 16:35
>時雨P
>>全部PVだなんだっていうよりは、コミュだからかな
なんだかいろいろと納得しました。一連の動画にはコミュ的な動画もある一方、PV的な動画もあったように思います。ゲームをニコマス上で再現というよりはやはり再構築に近かったんだなとか。
いつか時間があるときに是非語っていただきたいと思う一方、そろそろ新作に期待したり。

>whoP
初めまして…あまり初めましてな気がしないのは何故だろうw とにかく初めましてですね。

ご紹介ありがとうございます。がぶ呑み氏の作品は恥ずかしながら美希誕生祭で初めて知りました。動画MADとしてはむしろスタンダードな構成だと思うのですが、確かにニコマスでは見ない手法ですね。「シンクロダンス」が主流となっていく以前の作品なのですが、今見るとむしろ新鮮に映ります。
歌自体がストーリーを持っていると思います。歌詞やメロディーだけじゃなく様々な時代的な背景だったり個人的な思いも含めてストーリーなんだろうなと。そう言う意味でまっすぐは既にストーリーを持っている歌ですね。私はイントロだけで涙ぐんでしまいますw
アイドル達が歌から生まれたというのは、とても面白いお話でした。すると伊織はHere we goから生まれたのか……
”だって本当の 私を教えたいんだもん”
…あ、涙が…………
Posted by tlo at 2008年06月07日 22:12
紹介ありがとうございます!!
前回の記事で、的確に自分の事を書いてくれていて、凄く嬉しかったです。

正直、今までの作品は「きれいだな、すごいな」と評価されるだけでも十分でした。

どちらかというと、言葉(テキスト)で伝わる物よりも、動画そのものでキャラクターの内面や、ストーリーを感じさせる作品を作りたかったんです。

ですから、絵などを凄く参考にさせて頂いていました。一枚の絵だけで何か想像できるんだったら、動画だったらもっと伝わるんじゃないかと思ってですね。

ですが、何となくそれだけではいけないんじゃないかと思って、本来の自分の作りたいものを素直に、過不足無く演出するようにした結果、あのような作品が出来ました。

今回の作品で、色々思う事がありました。本来の自分のスタイルを決めつけちゃいけないって。
ストーリ物、実は結構嫌いじゃないんです。案もあったりしました。

これからは、もう少し幅を広く持って、作っていこうかと思います。
次回作も、自分なりの作品でいこうと思うので、どうか見てやってください。
長文失礼しました。

Posted by シラカワ at 2008年06月08日 22:38
>シラカワP

初めまして。まずは素晴らしい作品をありがとうございました。

きれいな絵を作れると言うことは、本当に凄いことです。特にシラカワPの作品は見た後の絶望を思うと、クリックするのを躊躇うほどにw
そしてスタイルを崩すというのは、とても勇気の要る行為だと思います。伝えたい事を伝える為とはいえ、見た目地味になるのを承知上で敢えて変えるというのは本当に凄いことだと思います。
表現の幅を広げるのは、多分作り手としては楽しい事だと思います。私もスタイルを変えている所ですが、苦しみながらも楽しんでいるところです。それに引き出しを増やすと言うことは、実は「シンプルに作る」という事には必用なんじゃないかと思ったりします。
目眩く絵画的世界も期待しつつ、次回作も楽しみにしています。
Posted by tlo at 2008年06月09日 21:21
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