2011年05月13日

動画編集うまい奴はホモ2

もともとこのブログの趣旨は「気になった作品を分析してその技術をパクってしまおう」というものなのですがこの頃、語りすぎない作品が気になってしまいます。


**P

タグにストーリー系PVとありますが、極めてハイコンテクストな作品です。アイマス2のゲームを一周でもした人なら、ココで語られている物語が詳細まで分かるでしょう。が、そうでないと完全理解は無理だと思います。
語られるストーリーは「プロデューサーとなったRTKの竜宮小町の旗揚げ。その成功と挫折」と要するにアイマス2のゲームの中で語られるものをなぞる形です。

旗揚げ
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RTKが伸ばした手を握りこむマイムの後で竜宮小町の3人のダンスシーン。欲しいものを手に入れたRTK。

成功
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SmokyThrillのダンスを竜宮小町と共に踊るRTK。歌詞「帆を上げて」の所に合わせて手を上げています。

挫折
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進む律子の前に現れたJupiter。敗北に涙を流す竜宮小町。

ゲームを知らない人がいることを想定する時、あるいは物語がオリジナルである時、つまり視聴者とコンテクストを共有していない場合、共有するための努力が図られます。ニコマスPVではコミュを挿入したり(ありすえP、音P)、絵を作ったり(メイP、エコノミーP)、文字を挿入したり(かきP)されるのが普通です。この作品で語られる物語もゲーム内のコミュ映像を配して構成できるのですが、使われているのはJUPITERに敗北した事を報告するコミュのみです。しかも、台詞が表示されるウインドウをトリミングして情報を削っています。
ですが、ゲームをした人間であれば否応なく分かってしまうこの構成。ここまで伝わってしまうのは映像の取捨選択だけでなく、モンタージュも絶妙で、ルックの変化、レイアウト、被写体のマイムにより全てのカットが言外に語るからに他なりません。

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2:49。くるりと回転し、RTKはJupiterに向き合うも顔を下げてしまう。Jupiterは背を向けたまま肩越しに見るだけ。敗北を報告するRTK。そして次のカットがこれです。

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フレアによる眩い光。このカットはかつて手に入れたハズの成功、そして今は失われたもの。幻、と解釈できないでしょうか?

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3:22。この動画を通して版面率が低い=RTKが小さく見えるカットの一つです。踊るダンスはSmokyThrillではなく一人街角でマッチを売る少女をモチーフとした歌LMG。

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そして全てを語り終えたRTKは背を向け、幻の小町は「さよなら」と手を振るのでした。

いつか「情報量というのものはむしろ削られた量である」という説を紹介しました。この作品はこの説を地でいくものです。恐らく、動画内にもう少し、コンテクストを共有してない人への情報が必要だっとは思います。が、語られているのがRTKの挫折であるが故に**pはこれ以上は語れなかったのかもしれませんし、コンテクストを共有している人間にはむしろこの方が胸に迫ると思います。



「辛い歌はもう歌わない」というHBKの再出発を描くこの作品も、SPと2の響を知らないと完全に理解は出来ない作品ですが、巧みな編集により伝わるものがあると思います。
posted by tlo at 00:42 | TrackBack(0) | 動画紹介
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