2011年08月22日

具象と抽象

具象とは文字通り象(かたち)を具(そな)えている事であり、抽象も文字通り象から抽(ぬ)く事である。大雑把に言えば、写真は具象で、○や△の記号は抽象。
視覚表現には様々あって、個々の作品は山ほどあるが、具象と抽象でマッピングは可能だ。...と大上段に構えたところで、いつものようにニコマスについて考えて見る。


わかむらP
思えば彼は具象表現の権化だった。かつてIRCで「自分の動画は表面だけのうすっぺら」と自嘲されておられたが裏を返せば「目に見えていることが全てだ」という自負だ。AEで作られたステージは正に彼の思想の具象に他ならない。


tlop
視聴者を最後の投票に引き込む事が全てであり、現実と地続きである錯覚を覚えさせるため、徹底的にリアリティにこだわった。実写合成と時間制限などのリアルタイム性はその結果だった。


RidgerP
わかむらP流の具象表現を駆使するが、彼が違うのは目に見えているものの背景に膨大なストーリーがある事だ。なので一つ一つのカットは極めて具象であるものの全体的には断片に過ぎず、視聴者に想像の余地が生まれる。


ナオキP
氷結と舞う花弁という最低限の具象により、ノーマルステージが幽玄の場に変貌する。この作品は蒼い鳥を所作とした能舞台であり、視聴者はストーリーを幻視することとなる。


以上、いずれの作品もその胆は「画の説得力」だ。
具象表現の強みとは正にそのリアリティにあり、視聴者が嘘に気付いてしまえばそれまでになってしまう。
Pが画の違和感を消し、現実に近づける努力を重ねるのはその為だ。

以下、抽象側の作品を考えてみる。

**P
アイドルマスター2以降精力的にストーリー系PVを制作している**P。彼の指向するのは画の情報をそぎ落とし視聴者の想像に訴える動画で、そもそもが抽象表現である3Dモデルのゲーム素材以外は使わない。だが、その手法は実写映画のそれである。


鳩P
3Dゲーム素材から輪郭を抽出し、文字という抽象を付け加えただけのミニマムな表現である。抽象を高めて得られた叙情は、千早の物語を知っているPであれば胸を締め付けるであろう。


メイP
抽象は行き着くと一枚の絵になる。このサムネがこの動画の全てだ。


抽象表現では「想像の誘発力」が重要になる。
テーマを最低限の情報でもって再構築することで、視聴者は想像する事を促される。
情報が多すぎれば野暮になるし、少なすぎれば意味不明となるため、Pはそのさじ加減に悩む事になる。


以上テーマやいろいろ考えた上でどちらの表現を指向するか決めて、自分がぶれないようにする試みなので、気の利いたまとめとかはありませn
posted by tlo at 09:19 | TrackBack(0) | 動画紹介
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