それぞれ見て頂いくと分かりますが「まよったりへんこんだりあるよねー」はノーマルPVと違いMAD感が無い事が分かります。当該箇所のカットを比較した画像をみてみましょう。左から、ノーマルPV(Autoカメラ)、おっぺけP、れのP、はりけんPとなります。

要クリック(大きいので注意)
れのPは手動切り替え、はりけんPはクインテットですが「アイドルを3人映す」「ある/よねと音節カットしている」という所はノーマルPVと共通です。ではどこに差がでているのか、各人のPVを分析してみます。
おっぺけP
まずOMNの当該箇所のダンスですが、センターは歌メロダンスというか歌詞マイムなのに対し、両サイドは最初からリズムダンスを続けます。まよっ”たり”/へこん”だり”も、ノーマルPVは強拍で脚を上げるサイドのカワイイ振りを見せてくれますが、おっぺけPはセンターを重点にカメラを回します。センター重点なのは動画の構成の為で、起承転結で言えば、さびスタートが起、Aメロが承、Bメロが転、さびで結となっているからです。(余談ですが承であるAメロはミドルカメラを主に使っていてアップは1カットしかありません、その事が、転のBメロ冒頭のセンターへのクローズアップを効果的にしています)
ただそれでもセンターを写しっぱなしにするのでなく、リズムへの目配せを忘れないのがおっぺけPです。まよっ/たりでミドル/ロングへ、へこん/だりではカメラをズームアウトさせて動画側でもリズムを作っています。そしてあるよねーは、ズームアウトしたセンター響のミドルカメラからサイド春香のミドルカメラへそして別サイドの律子アップカメラへと切り替わります。被写体として見るとセンターの歌メロダンスはへこんだりで終わり、あるよねーからはサイドのリズムダンスへ移行、そのまま別サイドのリズムダンスを写す形です。ある/よねーと言葉の音節でカットするのはノーマルPVと同じですが、ノーマルPVほど変化は大きくないのが分かります。
ついでに言えば響から春香への切り替わりもパンの直後となっています。まず動きに目が行く人の心理を利用して、切り替わっているという事に意識を向けづらくする仕掛けは静止画MADで多用される技術です。
このようにただのカットにも二重三重の仕掛けを施し、そうと気づかれないように楽曲の山場へと巧妙にカットを積み重ねていくのがおっぺけPの作風。そしてその集大成がこの傑作という訳です。
↓つづく