2015年04月21日

What are chubby girl made of? 〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ かな子食べてるシーンまとめ

#または私は如何にして心配するのを止めてかな子を愛するようになったか

今回の記事はPCで見やすいようにしてあるので、スマホでは見づらいかと思います。スイマセン

あなたはかな子を誤解しています。もちろんほとんどのデレマスPなら分かりきってる事ですが、あなたはかな子の持つアイドルとしての本当の魅力を分かっていません。特にアニメ化以降、心ない言葉が浴びせられる事例をあなたも見た事があると思います。かな子を例の紐で縛ったらハムになる等の妄言は爆発四散すべきです。

かな子はデブで食べてばかりいるという偏見。

では、アニメはそこまで食べる描写が多かったのでしょうか? 食べているシーンの描写を検討しつつ、あなたの蒙を啓くのがこの記事の趣旨です。

・かな子と卯月の食べているシーンを比較する
ここで同じCuアイドルである卯月と比較しながら論を進めます。お菓子を食べていたり持っていたり、あるいは目の前にお菓子がおいてあるシーンを抜き出してみましょう。

1話
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冒頭のお願いシンデレラのシーンの一カット。歌詞の「Everydayどんなときも」に合わて咀嚼しているカットであるのはあくまでぐうぜんであり、あなたはこのカットがかな子が1人で食べている唯一のシーンである事に留意すべきです。

2話
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卯月達3人とプロジェクトメンバーの初顔合わせのシーン。かな子の勧めで彼女自作のクッキーを卯月は手に取っています。かな子と智絵里のカットは、卯月達が美嘉のライブに出る事が決まったシーンの後。本論からは逸れますが、智絵里は四つ葉のクローバーを幸運のお守りとしています。ですが四つ葉のクローバーが出てくるのは智絵里が不安になってる描写の時だけですので、あまり幸運のお守りというイメージを持てないのが不思議。

3話
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かな子が焼いてきたプチシュークリームを卯月が食べます。かな子も食べようとしていますが、2話と似たシチュエーションです。サンドイッチを食べようとしている卯月はライブ直前のカット。

4話
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やはりかな子が焼いてきたクッキーを食べる卯月。かな子みたいに美味しそうに食べています。2話、3話、4話と似たシチュエーションが描かれており、かな子のお菓子作りがみんなと食べる為である事が強調されます。未央にお菓子作りについて聞かれたかな子のセリフにも明確です。
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「(お菓子作りは)好きだし、こうやってみんなで楽しくおしゃべりできるし」

5話
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自宅でCDデビュー祝いのケーキを食べる卯月。もう一つのカットは卯月達3人がユニットの名前を決める会議中のもの。かな子と智絵里のカットは、自分達のデビュー案をみんなで考えているシーン。面白い事に、卯月もかな子もPがやってくると食べているお菓子を隠します。Cuアイドル特有の反応なのか、あるいは卯月もトレーナーから何か言われているのか。

6話
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一枚目はNGがゲスト出演したラジオ番組を聞いているカット。かな子が市販のお菓子を食べている珍しいシーン。そして伝説となったマカロン差し入れシーン。ここにも卯月はいますが、見切れているのでカウントはしません。

7話
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卯月とPにお見舞いの品であろうゼリーが出されます。ここは、卯月が熱があっても食べやすいであろう冷たいゼリーをチョイスしたというPの気遣いの描写かもしれませんが。

以上ここまでで、かな子は8シーン、卯月は7シーンという結果です。かな子の食べてるシーンが突出しているという訳では無い事が分かります。食べているシーン=かな子のシーンでは無いのです。

しかし、登場する尺に対して食べてるシーンの割合はかな子が圧倒的ではないかという反論はありましょう。事実8話以降、NGの出番が減り卯月が食べているシーンは有りませんが、かな子の食べているシーンは安定して出てきます。以下上記した条件に合うシーンを抜き出していきます。

8話
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Pと打ち解けようという未央の提案に乗る形で、Pにクッキーを振る舞うかな子。戸惑うPは、かな子のお菓子の味が分かったのか心配ですが。
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「そういう時は、お菓子があると話が弾むよ」
悩む蘭子にPと話すきっかけを、とマーブルチョコを渡します。コミュニケーションツールとしてのお菓子。かな子の価値観の一端が分かるシーンです。

9話
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CandyIsland当番回です。収録ではマシュマロ食べたいと積極的に手を上げます。見た目とキャラクターの一致はテレビでは非常に強い武器です。また事務所だけでなく、控え室どころかセット裏にまでクッキーを持ち込んでいる事が分かります。

12話
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12話は今までのおさらいとして、ユニット回と似たシチュエーションがリフレインされていたように思います。この飴食い競争も9話のマシュマロの変奏だろうなと。

以上、7話までのシーンを足せば16と正直申し開き出来なくなりそうなぐらい、かな子と食べ物が一緒に描写されるシーンは少なくはありません。ここで、アニデレ全体を俯瞰してかな子以外で食べ物が関わるシーンをいくつか見てみます。

↓つづく
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2015年04月13日

10cmの背伸び 〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ 13話感想 前半

13話についてはあれこれ書く事は無いと思ったのですが、13話の記事が無いのも収まりが悪く。なので、4/4にあったアイドルマスターミリオンライブの2ndライブ初日の感想を絡めて13話の感想書いたのがこの記事となります。なぜミリオンの2ndが絡むのかは、最後までお読み頂ければと...

・新田さんのつまづき
フェス当日に新田さんが倒れます。リーダーに選ばれて張り切っていた彼女は、不安を忙しさでごまかそうとしていました。
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「違います。私も夜遅くまで練習したりしていたので」
悪いのは自分と、負担をかけたというPの言葉を即座に否定する新田さん。この言葉はPに対する気遣い以上の彼女の性格の根幹に根ざすものでした。

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悪いのは自分。ならば、行いに対する結果を受けるのも自分。それでも諦めきれない感情と、理性との葛藤。ここで無理をすればステージを壊しかねない状況に、彼女は自分の行動に対する責任を取ります。彼女は、潔癖なのです。

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「私が出られないのは自分の所為です。ですが、アーニャちゃんは…!」
その潔癖さは、このセリフに端的です。自分は責任を取ったけど、アーニャには何の責任も無い。だからアーニャが巻き込まれることに、その潔癖さ故に新田さんは耐えられません。新田さんはPに懇願します。

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「私たちにはPの用意してくれた曲と素敵な衣装しか無い」
この5話のセリフも、望外な幸運をそのまま受け止められない彼女の潔癖さ故のものだったと思えます。たとえ自分に都合の良いものでも、自分の行動に伴わない結果に、彼女は不安を覚えたのかもしれません。その不安はアーニャと共有され、ラブライカというユニットは良い方に進んでいきました。が、リーダーになったのは自らの行動の結果であり、その責任感故に、新田さんはすべて自分だけで事を進めようとしていました。アーニャとどうしてきたかという事を忘れて。よかれと思ってしたことが裏返るアニデレ世界の罠に彼女もはまります。

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本論からはそれますが、みくも自分に納得のいかない事は、たとえ自分に都合の良いことでも叩き返す性分です。*はラブライカの対比と以前記事に書きましたが、似ているところもあるのかなと。

・NGのつまづき
これまでも何度も出てきた、良かったはずのことがかえって徒となるシチュエーション。むろん作劇の為のアクシデントと言えばそこまでですが、ライターの都合だけで話を進めている訳では無いのは10話のシナリオで検証済みです。ここまで執拗に描かれたシチュエーションであるなら、そこにはライターの意図以上の、作品のメッセージがあるに違いありません。

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NGのつまづきは3話での経験を、勘違いしてしまった為でした。未央はライブの成功をファンの動員数であると思い込み、まだ右も左も分からない凜もライブとはそういうものだと思い込みました。彼女達のデビューライブは、客観的には大きな失敗も無く、まず成功という部類でした。ですが動員数でしか判断が出来ない未央には失敗としか映りません。

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そもそも、美嘉のステージに上げてもらえたのは幸運の賜物でした。もちろんその後のダンスレッスンで苦労はするのですが、彼女達はあくまでバックダンサーとして採用されたのであり、3話も途中までは彼女達の不安を置き去りに粛々と進行していく舞台裏が描かれています。

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「運も実力のうち」
6話まで何度か口にしていた未央の言葉。彼女達のつまづきは、勘違いに対する懲罰なのでしょうか? 
9話で智絵里が倒れたことも、10話で凸の3人がPとはぐれた事も、12話で蘭子が全体曲で苦心した事も、懲罰なのでしょうか?

・木戸伊吹のつまづき
ここで冒頭に紹介したミリオンライブの話になります。木戸さんはミリオンライブに登場するアイドル矢吹加奈のCVを担当している声優です。ミリオンライブには春香たち765ASを含めて50人のアイドルが登場しており、ゲームのローンチ時点では、矢吹加奈はその中の1人に過ぎませんでした。アニデレでのNGに当たる中心的なアイドル3人でもなかった可奈。そんな彼女が劇場版アイドルマスターで、重要な助演に抜擢されます。

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可奈に声を当てる木戸さんは、80年代アイドル黄金期を支えた業界大手ホリプロによる声優プロジェクトのオーデションをくぐり抜け、グランプリさえ逃したもののその才能を見いだされホリプロから声がかかったいわば、シンデレラガールです。既に深夜アニメで主演を経験したこともあり、この抜擢にも迫真の演技で応え、映画のシリアスな描写に厚みを加えました。


ですが映画成功の余勢を駆って開催されたさいたまスーパーアリーナのライブで、彼女はつまづきます。定期ライブの経験はあったものの、日本でも指折りの大規模な会場でのライブは初めて。アイドルマスターというコンテンツとしてもアリーナは初めて。節目となる記念ライブという位置づけ2万を超える観衆が集まりました。その前で、彼女はソロのアクトで出だしから感極まり、涙でまともに歌えなくなってしまったのです。
アイドルはそんな初々しさを楽しむコンテンツという一面もあります。観客が見守る中、彼女は後半どうにか立て直すのですが、その後のインタビュー等ではそのようなアクトをしてしまった忸怩たる思いが漏れ伝わってきます。
さいたまスーパーアリーナという大舞台は、木戸伊吹にとって懲罰だったのでしょうか?

・階段を昇るという事
もちろん、そんなこと考える人はいないでしょう。彼女が声優としてどのようなキャリアを積もうと考えているのか、そこまでは分かりません。ですがアリーナの舞台は、彼女が声優として昇っている階段の、あまりに大きな段差であったと思います。
4/4に行われたミリオンライブ2ndでの彼女は、控えめに言ってもアリーナとは別人に見えました。オープニングの全体曲のThank You!で一瞬アップで抜かれたある1人の演者の目力に「これほどのビジュアルを作れる人は雨宮天さんしかいないだろう」と、私などは勘違いしてしまった程です。
このライブに先立って行われた劇場版アイドルマスターの打ち上げイベントで、彼女は「もう泣かない」と宣言していました。その宣言もあり彼女のアクトを楽しみにしていたのですが、そこにいたのは「役柄上たまたま舞台に上がった声優」ではなく「アイドル木戸伊吹」でした。彼女はステージに昇る事の意義を、彼女なりに自分のものとして獲得したのだと私は思いました。

↓つづく
posted by tlo at 22:46| 日記

2015年04月05日

心を一つに 〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ 12話感想

12話はこの作品にしては珍しく、キャラクターにセリフで説明をさせていた箇所が多かったように思います。非常にわかりやすく、13話に向けて視聴者にも「心を一つに」して欲しかったのかもしれません。今回はこの「心を一つに」を具体的に考えながら、感想をつづっていきます。
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・各ユニットの現状
8話から始まったユニット回。それぞれのユニットの長所と弱点が描かれてきました。困難を乗り越えチームワークが回り始めた各ユニットですが、ここにきてPが出した全体曲の課題により再びその弱点が露呈します。

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ニュージェネレーションはCD発売イベントでの失敗の挽回を誓います。ですが、空回りする未央を御する事を誰もできていません。未央には次は失敗するわけにはいかないというプレッシャーがあります。3話でプレッシャーにのまれた未央を動かした凛が動かない事から、ニュージェネレーションはいまだ機能不全であるようです。

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ソロでデビューした蘭子。自らの思い描くヴィジョンそのままにデビューできたのはよかったのですが、ここにきて「ほかのアイドルと一緒にステージに上がったことがない」事が徒となり蘭子を苦しめます。良かったはずの事がことが裏返って徒になってしまう、アニデレ世界観の現れです。

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テレビ収録時の危機をチームワークで乗り切ったCandy Island。ですが身体能力の低さは克服されていません。杏の指摘は全うなものですが、智恵里を励まさなければならないかな子もダンスには自信が持てず、背を向けてしまいます。

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全体曲に一番喜んでいたのは凸レーションでした。ですが乗る気でない周囲の反応に、きらりが凹んでしまいます。まるで自分が楽しい事がいけない事かのように、周囲の空気を過敏によんでしまうきらり。10話で見せた彼女の一面もまた解決されていません。

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ようやくデビューを果たしたアスタリスク。例によって些細なことでぶつかり合う二人ですが、この衝突さえコミュニケーションと考えればみくと李衣菜の意思疎通には心配がないように思います。そんな二人が共通して不安視しているのは場数の少なさ。11話のイベント以降、まだステージの仕事はほとんどない様子です。

ユニットが内包する弱点は、ユニット内のチームワークで補われています。が、ユニット内では回っているチームワークも、ユニット間では全く機能しないどころか衝突の原因となってしまいます。

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倒れ込むCuアイドル達。NGの中では卯月はダンスを苦手としています。Candy Islandは体力も保たない様子。

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卯月を励ます未央。卯月は3話、6話でも描写されたように出来なければ出来るまで練習する性分です。なので未央の励ましは卯月には有効に作用します。

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ですが未央の叱咤激励はCandy Islandの智絵里には萎縮させるものでしかありません。

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未央のニュージェネレーションでのやり方を、杏は拒みます。いつものどこかおどけた口調で無く、効率主義者の現実的な分析です。C.I.にはC.I.のやり方がある。が、杏には対案が示せません。
↓つづく
posted by tlo at 05:46| 日記

2015年03月30日

48時間 〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ 11話考察

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11話の面白さはバディフィルムの面白さでもあったと思います。バディフィルムの定義はwikiによれば「対照的な性格の同性の2人を突き合わせるジャンル映画。2人は誤解し合いながらも、劇中のイベントを通し友情育み、互いを尊重し合うようになっていく」とあります。リンクしたwikiにはバディフィルムの例として映画48時間を挙げていますが、この記事を読まれる方にはアニメタイガー&バニーの方が通りが良いかもしれません。
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みりあ曰く「5分に一回は喧嘩してる」と言われる2人がユニットになったという事に未央はPが何考えてるのか分からないと言い、プロジェクトメンバーの誰もが首をひねります。価値観の違いから事ある毎に対立するバディもので典型的な対立描写です。ですがみくと李衣菜がPに談判しに来た際、適当に余り物を組ませたんじゃないかという訴えに、Pは真剣になって答えます。
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「そんなことはありません。相性の良いユニットだと思います」
例によって結局Pの口から語られることの無かったこの言葉の真意。実は似たもの同士だからという考察は既にあちこちで語られているので、違った切り口で迫ってみるのがこの記事の趣旨です。

・シンデレラプロジェクト、ユニットの狙い
二人の相性について論じる前に、シンデレラプロジェクトの他のユニットについて考察しつつ二人がそこに配置されなかった理由を考えてみます。

まずはソロであるRosenburg Engel。蘭子は独特の価値観を持ち、言動もそれに従っています。さらに彼女の脳裏にはすでにその価値観の結晶とも言えるヴィジョンが結ばれています。
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度々ネタとして扱われる蘭子のグリモワールの絵。確かに人物の表情は顔文字程度ですが、衣装などのディティールは非常に凝っています。厨二病の妄想だとしてもここまでくればクリエイティブです。事実Pは蘭子のヴィジョンに従う形でPVを作りました。Rosenburg Engelは例えばカゲロウプロジェクトのように、個人が構築したオリジナルの世界ごとプロデュースするユニットであり、だからこそソロである必要があったのだと考えます。みくも李衣菜もそれぞれにこだわりは持っていますが、ソロでやるなら蘭子のような固有結界持ちでなくてはアイドルとして勝負にならないでしょう。

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トリオの場合、Pはバランスを重視します。ニュージェネレーションは既にPの口からバランスと語られました。Candy Islandのバランスもチームワークという形で9話で存分に示されています。凸レーションについても窮地を逆転させるほどの可能性が10話で示されました。が、仕切りたがり屋のみくがトリオに入ることはあり得ないでしょう。

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本論から外れますが、凸レーションのバランスについて。普段は莉嘉が最初に動いてみりあがそれについて行き、きらりが後ろから見守る形。莉嘉が動けなくなったときはきらりが前に出て二人を引っ張る。きらりが動けなくなった時はみりあが前に出て導くという感じで誰か誰かが常に先頭に立てるようになってるのかなと。

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また凸とC.I.のCDジャケットを見てみると、それぞれリーダー格にあるきらりとかな子のイメージが据えられている事がわかります。蘭子と同様に独自の価値観をもっているきらりですが、彼女はその価値観をまだ既存のファッションブランドに仮託している状態です。いずれきらりオリジナルの世界観が生まれそうですが、凸のビジュアルコンセプトはPが、きらりの価値観を形にしたものであろうと考えます。かな子の価値観も言動どころか体型にまで出てくるレベルです。C.I.も彼女のふくよかなヴィジュアルに合わせたイメージをPは用意したのだと思います。かな子がダイエットに失敗したからかな子のイメージに寄せた等の可能性は排除します。【PR】第4回選挙はかな子に清き一票をお願いします いずれにしても、自分の価値観にまだ自信を持てない李衣菜では、トリオリーダーとしてロックを押し出すのは無理でしょう。
↓つづく
posted by tlo at 21:35| 日記

2015年03月22日

演出の魔法を読み解く(後半)〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ 10話考察

前半ではシナリオの仕掛けについて考察をしました。後半は絵コンテや演出を考察してみたいと思います。

1.エスタブリッシュメントカットからセリフをかぶせる
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エスタブリッシュメントカットというのは、シーンの冒頭に入れる状況説明のカットの事です。予告にも使われた竹下通りであることを示すこのカットが典型的です。本編ではカットされてましたが、予告では上にパンして尺を使っていました。このカットは長めにとって必要ならば間をあけて視聴者にシーンが変わった事を印象づけるのが定石です。が、逆にそれをしなければ視聴者を混乱させる事となります。

警察から事務所に電話が入ってきたシーンを見てみます。
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場所を示すエスタブリッシュメントカット。ここに新田さんの「え?!」というセリフが被ります。

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続いて電話。事務所内の描写ですがあえて電話のみにして視聴者に情報不足にしています。その上で緊迫感溢れた「あ、はい、少し待って下さい」とセリフが被る

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ようやく声の主である新田さんのカット。やはり緊迫感溢れた表情をセンターに据えたアップのカット。

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でようやく事務所内の様子が引きの画で説明されるという具合です。美嘉に電話がかかるときも同様

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「はぁ?!」と美佳の声

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「分かった。すぐ行くから」と苛立ちを感じる声。

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ようやく楽屋内部ですが、スマホをしまって立ち上がるという描写をすっ飛ばして美嘉が走って出て行く、といった具合。このように、状況説明をしつつセリフをかぶせて展開のテンポを上げ、視聴者に十分な理解をする時間を与えずに、緊迫感のあるセリフで視聴者を煽る。という事が随所で行われています。ストリングスによるBGMもサスペンス調です。

2.電話は受信側を描写する
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先の事務所で新田さんが電話を受けるシーンにしても、美嘉が電話を受けるシーンにしても、電話を受信する側が描写され、発信側の描写はオミットされます。展開のテンポを上げるためであるだけで無く、視聴者も情報の受け手に押し込めています。

3.電話の発信側を描写する時は話し中
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発信側が描写される時、相手は話し中です。登場人物の焦りやフラストレーションを視聴者は共有してしまう形になります。

4.電話中は横顔。
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映像において横顔というのは気をつけて扱うべきレイアウトです。被写体がこちらに向いていないため、視聴者はそれを観察的に見る傾向があると言われています。また、横顔の写ってない側に視聴者は想像をいたすとも言われています。「アニデレが横顔を使ったら用心せい」と舟木一伝斎も言っています。10話では情報が一方通行である事の暗喩として使われている節がありますが、正面の顔を避け、場合によっては電話で口元を隠すまでして情報を遮断し、視聴者に不安感を与える効果を上げているように思います

5.カメラを横切る通行人
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唯一発信側から電話が繋がった描写しているカットではあるのですが、その前を通行人が歩いて行きます。莉嘉の電話を受けているであろう美嘉の前にも通行人。情報が途切れ途切れである事の暗喩と共に、視聴者にフラストレーションを与えているように感じます。

↓つづく
posted by tlo at 16:57| 日記

演出の魔法を読み解く(前半) 〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ 10話考察

予告からアニデレ10話は迷子回だろうと予想はされていましたが、ここまでハラハラさせられるものだとは思わず、ものすごく引き込まれてしまいました。携帯どころかスマホでLINEなこの平成の時代に、しかも原宿という比較的狭いエリアですれ違いドラマを成立させてしまう演出には畏怖さえ覚えます。アニメや映画の監督なぞすることは一生無いだろうけど映像を生業にしてる者の端くれとして、この演出をパク学ぼうというのがこの記事の趣旨です。

・凸レーションとプロデューサー
凸レーションは莉嘉とみりあという年少組2人ときらりというお姉さんで構成されているユニットです。きらりはその役に自覚的で、ゲームをしていないアニメからの視聴者も杏のお世話をしていた姿を見てきた筈なので、彼女が実質のリーダーである事は容易に理解出来るだろうと思います。莉嘉はおませな中学生、みりあは遊びたい盛りの小学生とあって、Pはずいぶんとやりにくそうですが、彼女たちの奔放な個性を殺さぬよう自由にやらせるプロデュース方針であるようです。
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実際やりたい放題に見える彼女達ですが、Pに掲げられた課題に対し、自主的に考え、解決しようという意欲があります。この辺りはCandyIslandのようにうまく回っているようです、が、今回はこの自分たちで考えて動くという方針が災いしてしまいます。
では本題に入ります。

・シナリオの流れからみたすれ違い
最初に述べたように、昭和の時代ならともかくコミュニケーションツールが発達した現代ですれ違いの作劇は非常に難しいものになっています。それをどう実現させているのかをシナリオを時系列で追って見てみようと思います。

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1.莉嘉からPに電話をかけますが、Pは電話に出ることを禁じられます。Pが警官におとなしくしたがっているのは、画からもセリフからもヒントはありませんが、Pはこの時点で3人とはぐれてもきらりが年少組をうまく引率してくれるだろうと期待してるのだと思います。事実きらりはお姉さんを自任してますし、Pもそれを期待してユニットを組んだのは想像出来ます。さらにきらりは原宿が自分の庭だとまで言いいますが、Pもきらりの採用時点でそれを知っていたかもしれません。そうでなくては、後の狼狽ぶりから警官にくってかかるまであり得たのではないでしょうか。ともあれこの時点で、Pと凸レーションは互いの状況を知る、情報交換の機会を失います。

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Pが迷子になった!
子供らしい自身を世界の中心に置く現実認識ですが、Pが置かれた状況について情報が無ければ、「Pが知らないおじさんに連れて行かれた」とも言えなくはありません。同じモノをみても、個々人の認識は違うというデレマスで度々描かれるシチュエーション。事実きらりは後に事務所に連絡している時に「Pとはぐれた」と言い、自分たちが迷子になっているという認識でいるようです。その認識のズレが、この後情報の不足と相まって混乱の度を増していきます。

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2.きらりから事務所に電話をかけますが、事務所は警察からの連絡とちひろへの連絡で電話に出ることができません。ここで事務所はPの状況を知りますが、凸レーションの状況を知る、情報交換の機会を失います。それどころか新田さんは警察という言葉にうろたえ、この状況で一番頼りになるであろうちひろが事務所から引き離されてしまいます。

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3.莉嘉から美嘉に電話が繋がります。Pと連絡が付かない状況で、莉嘉にとって次に頼りになるのは美嘉です。ですが、この時点で凸レーションのメンバーはPの状況について全く情報を得ていません。一方美嘉は凸レーションとPの状況について不完全な情報を得てしまいます。後、本筋ではありませんが響=きらり、やよい=みりあ、真美=莉嘉なのかなと背景のポスターに妄想。

↓つづく
posted by tlo at 00:51| 日記

2015年03月17日

プロデューサーの言いたかった事〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ9話考察

9話で1カ所引っかかるところがありまして。いや、かな子が太すぎるのは1カ所どころじゃないのでそれじゃないです。引っかかったのはここ。
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「仕事ですから。それに…」
この言葉の先です。とかく仕事をさぼる杏に向けた言葉ならともかく、かな子の心も折れてるこの場で「仕事ですから」はノーマルコミュニケーション止まりでしょう。その辺の言葉の綾で痛い目を見たプロデューサーです。「それに」の先には何か別の言葉があったのではと考えます。
それを推察してみようというのがこの記事の趣旨です。セリフ的にも画面的にも全くノーヒントなので完全に妄想でしかありませんが、Pが意図を持って組んだこのユニット「CANDY ISLAND」の考察を通して探ってみます。

・ニュージェネレーションの「バランスの良さ」
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まず先行してデビューしたニュージェネレーションについて見てみます。5話で凜に何故この3人なのかと問われた時に、Pは「バランスの良さ」と答えています。そのバランスとは何処にあるのかと考えたときに、まず考えるのがゲーム内の分類、Cute、Cool、Passionです。アイドル個人の性行と売り出すアイドルイメージを表すと思われる分類ですが、3人の性行についてはまだプロジェクトに合流して日が浅く、当時はPもアイドルと距離を置いていた事から見抜けなかったと思います。ただしユニットを組みつつ個々のメンバーは売り出すイメージを変えるという戦略はリスクヘッジとしてあり得ます。
もう一つアイマスにはヴィジュアル(Vi)、ダンス(Da)、ボーカル(Vo)というスキルによる分類が存在します。アケマス以降ミリマスで受け継がれているこの分類に沿えば、2話の初ダンスレッスンでも比較的余裕のあった未央はDa。3話で美嘉に質問するときに歌声を披露してPを刮目させた凜はVo。そして1話で凜の心を動かした天性の笑顔を持つ卯月がViと言った所でしょうか。ニュージェネレーションのバランスはこの辺りかもしれません。

・CANDY ISLANDのバランス
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CANDY ISLANDが如何なる理由でもって組まれたかは今のところ言及はありません。CuCoPa分類でいえば3人ともCuであり、CDジャケットを見てもユニットの売り出し方向は甘さ可愛さで有ることは明白です。Cuアイドルの中で異彩を放つ杏さえも、この方向性に沿って「作って」いることが9話からうかがえます。
ViVoDa分類では杏が常にカメラに対して表情を作れるレベルにありViスキルの高さがうかがえますが、かな子はゲーム内でこそVoVi高めとして設定されているものの具体的な描写は9話の時点ではありません。智絵里は初テレビで萎縮してしまいスキルを発揮する以前の問題です。

ですがこの3人は互いにないものを持ち寄ってユニットを形作っています。9話でのメンバーの活躍を見てみましょう。

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このメンバーでかけ声をかけるのは常にかな子です。風船割りのコーナーでも一番頑張っていたようですし、マシュマロキャッチも率先して手を上げ、体を張っていました。まず体を動かすというのはPa的ですが、このユニット内ではかな子がリーダー役を担っています。

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杏は良くも悪くも計算高く、基本仕事は人に振ります。ですが自身の能力を熟知している効率主義者であり、出来る事であれば最大限に能力を発揮します。一歩引いた見方が出来て、体操着でやってきたKBYDチームの話をかな子と智絵里は飲み込めない様子でしたが、「クイズ番組でしょ?」と突っ込んだのは杏でした。まず考えるというのはCo的ですが、このユニットの参謀役は杏です。

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9話で智絵里は何も出来てないように見えます。事実収録中に緊張のあまり倒れてしまいますが、実はこの3人で一番アイドルにこだわりが強いのが智絵里です。引き分けという結果に両チームにバンジージャンプが宣告された時、智絵里は「お仕事また出来るんだ」と喜びます。バンジー回避に本気を出した杏のリアクションとは対照的で、かな子でさえその発言に驚いている様子です。見た目とは裏腹の、この貪欲とも言って良いほどの芯の強さはCuアイドルの鑑です。

このように、ゲーム内ではCuアイドルと分類されている3人ですが9話の中で見る限りは役割分担がはっきりしていてCuCoPaとバランスが取れています。ついでにいえばアイドルマスターsideMで示された分類でみると、フィジカルかな子、インテリ杏、メンタル智絵里としっくりはまったりします。さらに脱線ですがスキル分類であるViVoDa、アイドルイメージ分類のCuCoPa、性格分類であるPyInMeでアイドルを三次元分類するのは面白いかも知れません。かな子はViCuPy、伊織はViPaIn、可奈はVoCuPy辺りかな…

↓つづく
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2015年03月07日

きらり回?かな子回?〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ8話感想とサブテーマについて考察

アニメシンデレラガールズ9話サブタイトル”Sweet" is a magical word to make you happyについて、きらり回かかな子回かという事でちょっとした話題になっています。
きらり回であるという論拠は
・きらりはゲーム内のセリフに「甘いモノは幸せの魔法よねー☆」というものがある。
・タイトルバックがきらりんハウスの内装っぽい
・3/9放送のデレアニAにきらりCVの松㟢さんがゲスト
かな子回であるという論拠は
・"Sweet"といえばその意は「甘いもの」である
というもの。
正直に言えば8話の完成度を見た後だとどちらでも問題無いのですが、かな子Pとしてあえてこの話題に乗り、次がかな子回で有ることを主張しつつ、アニデレのもう一つのテーマについて考えてみようというのがこの記事の趣旨デス。

まずは8話について。この回は蘭子の熊本弁でカリカチュアライズされてはいますが、6話と7話で描かれたのと同様にコミュニケーションの難しさを描いた回であると思います。最初の打ち合わせのシークエンスを見てみます。
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最初は距離を感じさせない背後からの構図で始まる打ち合わせですが、イメージの齟齬が発覚すると、とたんに横からの構図となり距離が生まれます。

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Pのそこが重要なのか?という問いに対し、カットバックで蘭子のアップ。本論には関係ないのですが、驚き>失望>拗ね、とこの数瞬で表情がこれだけ変化していて本当に丁寧に演技つけてるんだなと関心してしまいました。

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これでもかと重ねられる赤のモチーフ。赤信号で一時停止だったり駐車場であったり消火栓であったり、いままでの展開とこれからの展開をなぞるようです。

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ここで蘭子の後をアーニャが追うのは同じ女子寮組である以上に、アーニャもまた言葉の壁に悩むキャラクタであるからに他なりません。その辺りの描写は3話でなされていました。新田さんがアーニャにしてくれたように、アーニャは蘭子の力になりたいと思っているのでしょう。
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アーニャの心遣いに素直に感謝を示す蘭子。このように蘭子は決して自分の趣味に閉じこもる娘ではなく、十分に人の気持ちを感じ取れる娘です。この後スケッチブックを見せるのに苦労するのも、むしろ人に敏感すぎるからではないかと妄想してしまいます。
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1話で出てきた「凜にすげなくされるP」と同じ、蘭子が画面右に去って行くカットですが、画面全体に傾斜がかかっているのがポイント。画面中央で動かないPに対し、まるで坂を登っていくかのような蘭子が、相当無理している様子がうかがえます。

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実際蘭子はPとコミュニケーションを取ろうと努力をしています。休日は想像を絵にして愉しんでいると言っていますが、5話でみく達がデビュー案を考えようと言った時、彼女が「グリモワールの封印を解く刻」と言っていたように、もしかしたら自分の描いた絵を人に見せることは無かったのかもしれません。この窓のカットをみると彼女の決意は思った以上に重いものじゃ無いかと考えてしまうのです。

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蘭子の苦労を見かねた凜が、座ったままのPの尻をまたも叩きに来ました。7話と見比べると立ち位置がすこし近づいていると同時に、画面に対して正面を向いて対決姿勢を和らげています。

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「言葉とかの前に、もっと近づいてみたら?」
凜に促されて蘭子と「雑談」を試みるPですが、センターを噴水とすると構図的にもやっぱり蘭子の方が積極的です。ただ、蘭子が一方的に近づいている訳では無く、心理的にはPも蘭子に寄り添っていることが、画面センターで水面に映る2人の姿から分かります。
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ここで蘭子がPに説明しているセリフは、最初の事務所での説明とほとんど変わりがありません。違うのは、蘭子が自分の想像を描きこんだスケッチブックを用意してきたこと、Pが言葉の意味でなく、蘭子の事を理解しようとしていること。
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画面センターの噴水に対して対象にいる2人。蘭子は伝えようと努力をしました。Pも理解しようと努力しました。互いに向かい合って尚、コミュニケーションの成立に苦労をしました。熊本弁であることは本質的ではなく、気持ちが伝わるという事の本来の難しさと伝わったときの喜びが8話であったろうと思います。
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↓つづく
posted by tlo at 22:07| 日記

2015年02月27日

Who cast a spell? 〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ7話感想(後半)

前半の続きです

走るプロデューサー
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走り出すプロデューサー。その方向は原則通りのポジティブな左←右です。ですが、この方向には原則以上の意味があるのではと思っています。Pの現状として説明したカットに、画面左側には大きな空間がありました。そしてその空間というのは失敗した過去ではないかと述べました。だから、そちらに向かって駆け出すのは、過去から今を取り戻す為の行為ではないかと思うのです。
車輪になるという選択こそが過去へのこだわりだと先に述べました。それは埋み火のごとく彼の心に燻っていたに違いありません。未央との行き違いによって再び燃え上がった悔悟の念は、卯月が未来を指し示した事により、彼を疾駆させる力になったように感じます。やり直すことは出来ない。だけど繰り返すわけには行かない。彼にとって未央と凜を連れ戻す事は、すなわち己を取り戻す事になったと思うのです。

プロデューサーと未央
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成り行きとは言えプロデューサーは未央と同じ空間にようやく立ちます。Pは右、未央は左。未央は背を向けているものの、去って行くアイドル達の構図とは逆で、卯月や凜と同様に未央も過去の少女達とはやはり違うのです。
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立ち去ろうとする未央に追いすがるP。その一歩の靴音にはエコーがつけられ重要なものである事が強調されています。Cパートの凜未央卯月の3人の第一歩と、この一歩は意味合いとして全く同じ、再生の為の第一歩です。
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未央の隣に立つP。今までに比べればずいぶんと近い位置に立っていますが、互いに目を合わせてはいません。
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Pは未央と同じ目線になって、未央と同じものを見るためにしゃがみ、写真を指し示します。卯月がしたように、彼は未央とコミュニケーションをとろうとしています。
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「私はこのままあなた達を失うわけには行きません」
この言葉は自分の思いの吐露でしかなく、そこに未央の都合はありません。ですがインターホン越しのアレとは全く質が異なります。リーダー失格だと泣く未央に、Pはプロデューサー失格だと己を呪った自分を重ね合わせているのではないでしょうか。この言葉が説得力をもったのは、これがPの想いでもあり未央の想いでもあった為だと思うのです。
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広い空間。2人は狭い空間で仕方なく距離を縮めたのではなく、自らの意思でそうしています。画面センターとなる自動ドアの桟を見れば、Pが未央によりに近づいている事も分かります。

↓つづく
posted by tlo at 04:27 | TrackBack(0) | 日記

Who cast a spell? 〜アニメ アイドルマスター シンデレラガールズ7話感想(前半)

アニメアイドルマスターシンデレラガールズ7話は高雄監督の絵コンテ回でした。1話をリフレインをしているのは両話を見比べると分かるのですが、すべてが同じという訳ではありません。その非対称の部分を比較しつつ、もう一つ7話で大事だったと思う「動きの方向」についても注目してみたいと思います。

動きの方向について
上手下手への動きにはその立ち位置と同様の意味があります。詳しくは以下のブログ記事にあるとおりです。
ゲームの右と左 マリオはなぜ右を向いているのか
高雄監督も画面左である下手への動きと画面右である上手への動きにも明確に意味づけを行っているように思われます。7話冒頭のイメージカットと、7話エンディング後のCパートのカットを比べてみます。
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Pの元を去って行くシンデレラ達。上手に向かって走り去ります。これは1話で凜に最初に声をかけてすげなくされたカットと同じ方向です。
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未央、凜、卯月が改めて第一歩を踏む。下手に向かっています。
このように、高雄監督は左→右の動きはネガティブに、左←右動きはポジティブに捉えているようです。このことを踏まえ、7話の「感想」を述べたいと思います。

未央とプロデューサー
まず未央とプロデューサーの置かれている状況を端的に表しているカットを二つ。
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画面右側に去ろうとしているPを画面右側に置き、距離を置いて画面左側に凜と卯月を置いています。人物の背後にある空間は、その人物が背負っているものを暗示させます。アニメアイドルマスター劇場版で春香が「私は天海春香だから」と言ったあのシーンも不自然なまでの空間が背後にありました。Pの背後に今あるのはかつての失敗であり、凜や卯月に全く目が向いてない事がこの1枚で分かります。
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テーブルの下からのぞき込むような構図。下はベッド、上はテーブル、左は本箱、右はクッション。開いているのはカーテンが半ば閉じられた窓だけ。客観的に見れば成功だったミニライブを失敗としか捉えられない未央の、にっちもさっちも行かない状況が分かります。

このようにこの2人はお互いどころか、現状さえ全く目に入っていません。そんな2人が合えばどうなるか。
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画面右を向いて左側に開く膨大な空間。2人とも同じ方向を向いて、構図上でさえ向かい合っていません。インターホンに向かって互いの主張を繰り返すだけでコミュニケーション以前の問題です。

凜とプロデューサー
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このカットは1話のリフレインになっています。初めて凜がプロデューサーとまともに話をした時は2人の距離は縮んでいました。違うのは凜が立っていること。動こうとしないPに不信感を抱いた凜が距離を置いています。
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画面右側に立つ凜が画面左側にいるPを糾弾し、ついには画面右上から見下ろし、Pを画面左下追いやってしまいます。1話について書いた記事で、シンデレラガールズにトミノ式は当てはまらないと書きましたが、このシークエンスに限り当てはまってしまいます。凜はコンスコン隊のリックドム12機を無双しそうな勢いです。対決もコミュニケーションの一つとはいえ、ここまで一方的ではコミュニケーションとはほど遠い言わざるを得ません。
逆に言えば、年端もいかない少女にここまで追い込まれてしまうほどに、彼の問題は深刻であるという事だと思います。部長がメンバー達に語って聞かせたように、彼は過去に何人かのアイドルに去られています。その後、そのプロジェクトがどうなったのかについては語られていませんが、彼が担当から外れているのは確かです。
彼を担当から「外した」上司にしてみれば、ドライに言えばリソースの再配分、ウェットに言えば彼の回復と成長を待つ時間を作ったに過ぎず、そこに懲罰的意味は無かったはずです。事実彼はシンデレラプロジェクトを任されているのですから。
ですが担当を「外された」Pはそれをどう受け取ったか。自分のミスにより仕事を外された時、ある人はキャリアが傷ついたと思い、将来に不安を覚えるかも知れません。ある人はプライドが傷つけられたと感じ、恥をかいたと怒りを覚えるかもしれません。そして実直だというこのプロデューサーは、少女達のプロデューサーとして責任を全うできなかった不甲斐なさに、己を呪ったのではないでしょうか。自らを車輪と規定するそのあり方こそが、彼が過去にとらわれていることの現れであるなら、未央との一件がなくとも、破綻はいずれ訪れていたと私は考えます。
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去って行く凜。ここで凜が画面右では無く、左に向かうのは上記した原則から見ると不思議でした。ただ、1話のリフレインである凜の私室のシーンでこの方向の理由は想像できます。

凜はまだPを見限った訳では無いのです。だから彼から離れていったアイドルと同じ方向に行かせる訳にはいかなかったのだと思います。

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凜が去って行く直前にあるこのカットには、凜が去って行く姿は描かれていません。効果音だけです。このカットはあくまでPの心象であり、凜はまだ彼を信じたいと思っているのです。
↓つづく
posted by tlo at 04:04 | TrackBack(0) | 日記