2010年12月31日

つらつらと

twitterでフォローして頂いている方はもうご存じかと思いますが、とある縁で映像関係の仕事をやらせてもらうようになって数ヶ月経ちました。それとは別に、ニコマス以外のニコ動用の動画をいろいろ作るようになりました。
9.18は少なからずショックでしたが、ブログの更新が滞っていたのは動画制作に忙しくてそれどころではなかった為でした。



ニコマスを離れるといろいろと見えてくることもあるし、得るモノも多いです。ですが自分の根っこはニコマスであることを思い知ると同時に、外で得た知識や技術を動画という形でニコマスに恩返しできたらなぁと思いつつ、挨拶程度の更新にて失礼。

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2010年09月21日

萌えと燃え



今更になりますが、8万再生ありがとうございました。
この動画についてはどこかで語ったこともあるかも知れないですが

アイドルマスターという世界が孕む厳しさと残酷さ。
そんな世界で必死に生き残ろうとするアイドル達の姿。

が全てです。
「みんな仲良く舞台に立とう」「私達みんな仲間だもんね」の裏にあるのはこういう世界だと思います。
なので「萌えじゃなくて燃え」という意見には賛同します。が、新作について現状分かっている情報を鑑みるにどうしても相容れない部分も有ります。

勝敗の結末は一つじゃない。

勝つものと負けるものがいるという点で、確かに結末は一つです。が、誰が勝ち、誰が負けるかというのは最初から決まっているものではありませんでした。6組のアイドルが争うオーデションはCPU選でも時として波乱が起きるものでしたし、対人戦となればもういつ負けたっておかしくありません。さらにVIVODAの審査員や3回の選考が複雑に絡み合い、非常に奥深いものになっていました。
アケマスにおける対戦の熱さはアケマスからの古参、まこTPのブログでまとめられています。まこTPが記録に残したこの対人対戦の熱さをどこまで再現出来るかが動画の演出の要でした。そのために動画を作る前に6人の各アイドルのパラメータを設定、その戦略からアピールの順番までを決めてあります。例えば伊織は「普通にやれば勝てるレベルなので、4-3-2を基本にVI審査員が退席しないようにだけ気をつける」、河合伊織奈は「敵は伊織ただ一人。1.2プレスで第3審査に持ち込む」、やよいは「まともにやれば勝てないので、2.3プレスでVI審査員の退席を期待する」みたいな。
ですが、それだけでは「誰が勝つか分からない」その緊張感は出ません。視聴者投票という演出を導入したのは、誰かが勝てば誰かが負けるというこの選択を視聴者にゆだねる事で、残酷な世界と彼女たちの気高さを体感してもらいたいという思いがありました。もっとも、彼女たちの勝敗を私自身が決められなかった弱さでもありますが。

2では竜宮小町、JupiterがライバルとしてP率いるアイドルと一騎打ちを繰り広げます。もちろん燃え上がるシナリオも用意されていることでしょう。ですが、どんな天才の考える1つのシナリオよりも、10000人のPの対人戦の中で生まれるであろう「ドラマチックな偶然」の方が感動は深いと私は考えます。そんな偶然に巡り会える程暇じゃない忙しい社会人やほんとうに始めての初心者には1本道のシナリオは親切でしょうが、その一本道を通り抜けてしまえば終わりです。
それ以前に、小町もJupiterもシナリオの要請でプレーヤーの前に「負けるべく」配置されるハードルに過ぎません。噛ませ犬として首輪をはめられ鎖に繋がれた伊織を負かして燃えられるとでも?

って書いてて愚痴っぽくなってきたのでここまで
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2010年08月28日

P名当てをしてみたよ



合作メンバーがリークしたこちらの表に基づき、P名当てをしてみました。

判断基準は
1.使用ソフト
AE、非AEだけでもかなり判別はつきます。また、ニコマスで使う人が限られているソフトもありますので、それはすぐに分かるはず。
2.色調
確かにLooksで個性は見えずらくなるかもしれませんが、よく観るとやっぱり癖みたいのはあるみたいです。Looks使ってない人もいるはずですし。
3.作風、Pの姿勢
これはもう勘みたいなもの、というかもっともらしいこと言っているけど全部勘なんだよ!こんちくしょー!

というわけで以下からどうぞ

↓つづく
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2010年08月12日

おしゃれ泥棒

通称「オサレ合作」以来、ニコマスではおしゃれが一つのキーワードとなった感があります。この合作のコンセプトはモーショングラフィックだったのですが、モーショングラフィックという手法がデザインと切り離せないので自然な流れなのかなと端から見ています。
で、じゃあそのおしゃれってのはなんなのさという所で、いろいろ考える事もあったので記事を書いてみる次第です。方法としてはおしゃれだと思うニコマス動画を紹介しつつ分析。そしてその技を盗むのが目的です<重要

1.画面構成、レイアウト

メイP

メイPの優れている所はメッセージ性とそれを伝えるための画面構成=レイアウトです。

may_p'.png

サムネになったこの画が特徴的です。赤い線は画面を等分した線です。分割した画面に沿って配置されていることが分かります。そしてピンクの線を見て分かる通り、目尻と文字が揃っている事も分かります。自分で見つけた風に書いてますけどピンクの線についてはカズマさんが教えてくれました。流石です!
このサムネには私も見惚れたものですが、考えられたレイアウトだと今になってみれば分かります。巧みなレイアウトというと他にもニコマスにはシラカワPという名手がいて、別ジャンルだと静止画MADの軍魔さんもこの流れの一人ではないかと思います。


軍魔氏

2.配色

うしわかP

色調補正という形で色による差別化は07年から行われていたように思います。が、その特徴的な色が自らのP名を冠せられて命名されたのはうしわかPが初めてでした。いわゆる「うしわカラー」は色をすこしくすませたダルトーンが特徴的でした(合作見ても分かる通り過去形だったりしますが)。この作品については、なぜこのような色になったのかコンセプトがあった事を知ったときには私も仰天したものです。とてもデザイナー的な思考だと思います。
09年はニコマスは色に特徴のあるPが増えました。七夕革命の効果ともいえますし、それに先立つニコニコのH264化やその後のビットレート解放もその方向性を後押ししました。
さて、色を分類する方法として使われているものにマンセルシステムというものがあります。詳しくはリンク先を見て頂くとして、色に特徴のあるPをこの分類に当てはめてみると多分こんな感じです。

mansel_nicomasP.png

彩度や明度。暖色、寒色。補色など色相環に沿った関係…などなど色については本当に難しいのですが、統一感をもたせるのがおしゃれの第一歩かなと。色のコントロールが難しければ使う色を3色とか2色に抑えるのも手っ取り早いです。場合によってモノクロがおしゃれに見えるのもそのためだったりします。

3.構成

つかさP
動画は時間をつかった表現です。ニコマスにおける動画の時間は使われている曲に縛られます。それは尺だけの問題じゃなく、時間による画の変化が曲調により支配される…というかPVはそういうものなのですが。
つかさPは構成の人だと前に記事に書きました。それは物語的な起承転結というだけでなく、画面構成と時間構成が結びついているからでもあります。かっちり作ったレイアウトを時間と共に変化させていき、しっかりと動画を締める。この手腕は歴代のニコマスPでも随一だと思うのです。


しょじょんP
動画の時間構成に物語を伴う必要性は必ずしもありません。VJなどで使われる映像は典型的です。しょじょんPのこの作品は、アストロガールを纏った真が上から降りてくると言うこの画の持つ緊張感を、あえて展開させることなくそのまま最後まで持続させます。そしてこの構成もコンセプチャルなものだったりします。


以上。感覚で語られがちなおしゃれという概念の要素をすくいあげてみた訳ですが、とりあえずは「メッセージなりコンセプトなりの芯に沿って動画がデザイン(計画)されている」という事が言えそうです。これをかりふらPが端的な言葉でtwitterにポストしていたので紹介します。

「余計な事してたらおしゃれじゃない。でも余裕がないとおしゃれじゃない」

つまり全力で踊ったどこかのPはおしゃれじゃないって事ですよね。ええ、分かっています。


以下、上記以外にも私がおしゃれだと思う作品をいくつか。
↓つづく
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2010年07月18日

新作

合作に参加しました。



この動画で新プレーヤーに気付いたという方が多かったです。
プレミアだけでなく一般にも開放されているので
もし、気付いておられない方がいましたら是非変更してみて下さい。
全然違います。

作り手側からするとビットレート解放より影響が大きいかもしれません。画面が広くなったので視線誘導気をつけないととか。

あと、どこがどのPかとかは発表する予定はありませんw

↓つづく
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2010年06月22日

シンクロ概論2

モーショングラフィックス(以下MG)というと、やっぱりFlash黄金時代の諸作品を思い浮かべるわけですが、リンク先の説明にあるとおりその歴史は相当古いものだったりします。


オスカー・フィッシンガー作品


ノーマン・マクラーレン作品
youtubeに高画質版あります

フィッシンガーの作品の表現は現在のMGにもありそうなものがありますし、音の視覚化という事であるならすでに表現として完成されています。マクラーレンの作品に至っては「フィルムに直接塗ったり傷をつけたりした」とのことで、先に音だけ録音したフィルムのサウンドトラックにある波形を見ながら描いていった事は想像に難くありません。つまり音が先にある動画なのです。

前世紀初頭にはこういった映像実験が盛んに行われていて、出尽くした末に今があるのだと思います。何故今取り上げたかと言えば、MGとニコマスダンスMADのシンクロの違いを考えようという事でしたが、実は既にこちらの方がすでに通過した場所だったりします。さらにこちらの方も言うように、

「映像のシンクロ」と「ダンスのシンクロ」は別物

言い換えれば、

「光」と「身体」は別物

なのだと思います。そしてMGは「音と光」の同期を指向し、ニコマスダンスMAD*1は「音と身体」の同期を指向するのかなと。


*1 まだこの言葉の定義づけはしていない。とりあえずここではPBだったりラブリーエンジェルだったりを想定する

↓つづく
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2010年06月20日

シンクロ概論1

映画というのは現実の再編集が可能で、異なる時代、異なる空間さえもつないで見せてしまう。それは映画に限らず、映像メディアであればすべて可能な事で、ニコマスにおけるダンスMADPVも例外では無い。ダンスMADPVは「異なる映像をシームレスに編集し、同一の場所で時間的にもリニアに行われている事象であるように『思わせる』映像」と定義づけられるであろう。Flash等で作られるモーショングラフィックと根本的に異なる点はここにある。言ってみればダンスMADPVは再編集により創られた、Pが幻視しているであろう世界、なのである。だが、難しいのは『思わせる』という事で、PV系ニコマスPは『思わせる』事に心血を注ぐ。彼らは、その『思わせる』技術を、


『シンクロ』

と呼ぶ。

(ノД`) バテた
(゚Д゚) 早いな
(ノД`) ニコマスの築き上げたシンクロ技術を映像技術史に位置づけようっていう壮大な構想なんだけどね
(゚Д゚) 荷が重すぎたと
(ノД`) それにこれだけ書けば、後は誰か書いてくれるから

また丸投げか ヽ(#゚Д゚)ノ┌┛)`ν゜)・;'. その件はスイマセンでした!

(ノД`) 大工さんに投げて敷居本で出してもらおうかな

反省の色がない ヽ(#゚Д゚)ノ┌┛)`ν゜)・;'. 本当にスイマセンでした!




とりあえず、何がしたかったと言えばこちらの作品の分析でありました。


佐野倉P作品

で、その分析をトーキー以来映画で培われてきた技術体系でもって出来ないかナーと思ったのだけれどムリだったというわけで。後はいつも通りにやっていきます。

↓つづく
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2010年06月04日

カクテルDSXのこと

今更なのですけれど、参加者と運営スタッフの方々はお疲れ様でした。
で、今更なのですけれど、DSXで印象に残った作品を5つ紹介。


はずみちP
伊織には申し訳けど、広島焼きにしか目が行かなかった。


38℃P
ガチかと思ったらネタだった。何を言っているか(ry
こういう後ろから刺されるような動画は大好き。


ぎょP
いままでぎょPは方向も作風も違うと思っていたけど、今回のは嫉妬した。
嫉妬した。


柏城P
独特の線の荒さが柏城Pの画風で、
曲を独自の解釈で展開していく作風で、
誰にもまねできない世界に迷い込ませる。
魅入ってしまいました。



HCLP
純粋に楽しさという点においてDS、DSXを通し今回のカクテルで最高でした。


あとDS、DSXと通していろいろと。

↓つづく
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2010年05月10日

映像の距離感

映画の編集技法は本当に深くて私なんかよりもっと語れる人はニコマスにいると思うのですが、シチューの人ことqb氏のこの新作についてはまず驚きを口にするのではないでしょうか。


qb氏

私はリンPの「私は」シリーズを知ったとき以来の感覚でした。


リンP

チヒロPが以前「GAME」についてブログに書いたように、リンPの作品はフィックスの癖を最大限に利用しています。どこか「遠い映像」になるのはそのためです。しかもコミュは背景が違っても、被写体は全く同じアングルで同じポジションという実写映画では特殊な画になるために非現実感が際立ちます。「GAME」ではそこに突然HMDをかぶったアイドルに切り替わるわけですから、衝撃も大きくなるのだと思います。

qb氏の新作についても、一般のMADPVとは質を異にするは見て分かると思います。そもそも歌ってるのは伊織じゃなくて春香です。私は映画は映画でもドキュメンタリーとか、ことによるとホームビデオなんだと思いました。フィルムが劣化して退色したような色調とかいろいろあるのですけど、なによりアップに寄ると伊織が必ず視線を向けてくる(これはカメラをupに切り替えると目を向けるというゲームの仕様なのですが)辺りは、伊織がカメラを意識する=カメラが近い事を想像させます。さらにロングやミドルの画も織り交ぜて、しかもスローであるために動きが激しくないのも「近い映像」になる理由かなとか思ったり。

他にも工夫がありそうなのですが、とりあえず今回はこれだけ。これ以上は私より詳しいこの人この人が書いてくれると思います。

↓つづく
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2010年05月05日

プロデューサーの消失


わかむらP作品

ある動画が広く受け入れられるにはそれ自体のクオリティだけではどうにもならない部分があって、時代とか潮流とか外的要因は思っている以上に大きい。
わかむらPがアイドルに「あなたの操り人形じゃない」と言わせても、それはわかむらP一流のエンタテインメント以上の捉えられ方はしなかったように思える。少なくとも「GAME」のような議論は起きなかった。わかむらP自身もブログで「ニコマスは成熟したジャンルなんで、そろそろこういう毒のあるMADも許されるかなと思って作ってみました。」と書いてあるが、この主題が孕む毒を理解するには、作った側も見る側もまだ早かったと、今になれば思う。
L4Uの七夕コマンドは、バンナムのニコマスP達への明確なメッセージだった。そもそもブルーバックがPVを作るためのスタジオセットなのだから、エスパーでも何でもなく「MADPVを作って遊んでください」という事だったのだと思う。その後もMA曲のDLCが続き、公式側からの素材供給は続いた。
だがその一方で、ゲーム世界内での「P」の存在感は薄くなっていった。SPのストーリーモードは961プロというプロデューサー制を否定する「悪役」が用意された。アイドルを道具と見なす黒井社長によって美希も貴音も響も最終的には潰され、アイドルと二人三脚の765プロの優位が示されるのである。だがその実、961プロの「アイドルによるセルフプロデュース」体制が否定されている訳ではない。961プロは才能があるアイドルには、ハード面で十分な支援が与えられていたし、プロデューサーはいないがマネージャーのようなスタッフは揃っていた。もし、黒井社長がアイドル達に無用のプレッシャーを与えずに、彼女たちの実力が十分発揮されていたとしたら結果は分からなかったと思う。DSに至ってはPがいない。絵理ルートに尾崎Pという登場人物はいるもののあくまで脇役であり、絵理が成長した終盤はPとしてはいてもいなくてもいい状態になる(らしい)。
素材的にもSPはMADPVには魅力的でなかった。L4UのDLCは2009年8月で終了し素材供給が途絶える。DSに至ってはまっとうな手段ではキャプチャーさえ出来ない。響も貴音も愛も絵理も涼もどんな魅力的であっても、今までのように(MADPVを作って)プロデュースが出来ない。

ニコマスP(PV系)は公式世界からしめ出されたのである。


ナファランP作品
ナファランPの作品が衝撃を持って受け止められたのは、一つには「Pが閉め出された」という意識があるのでは無かろうか。もちろん「エレクトロワールドから続く電子偶像動画の系譜」の最先端として見ることも出来よう。だが「アイマス2」の発表を控えたP達の不安を先取りした動画として見た方が、自分にはしっくりするのだ。

……というか今日、その事に気付いて記事を書いているのだけれどw 個人的には、ニコマスに動画を上げるのにHD素材が必須かと言われればそんなことはなくて、MMDやら手描きやらと同じ「画材」だと思います。SPしか素材がなければそれでどうにかするし、DSがどうしても必要であればなんとかする……ただ、労力をもっと別の所に割けたいので素材面で楽したいのだけれど。
posted by tlo at 17:25| 動画紹介